地震発生直後の避難所のFree Wi-Fiをポジモで

みなさま、ご無沙汰しております。

外部電源不要の無線LAN「ポジモ」の広報担当をしております橋です。

今年も残すところ1カ月余りとなりました。早いものですね…。

久方ぶりの投稿となりますが、今回は、「熊本地震」と「胆振東部地震」の避難所でポジモを活用した時のお話をさせていただきます。これまでにポジモを活用した際に、「通信環境が困窮」、「電力需給が逼迫」している地震発生直後の避難所にFree Wi-Fiを提供したことがありました。

「地震発生直後の避難所でポジモを使う」お話は以下の記事でも記載しておりますので、そちらも合わせてお読みください。

「地震発生直後の避難所」でポジモを使うhttps://www.poggimo.info/blog/2022/05/426/

「熊本地震の避難所」でポジモを使う

2016年4月に熊本県の熊本地方を震源とする震度7の巨大地震が2回発生しました。1回目は、14日の21時26分に益城町で「マグニチュード6.5」、2回目は、16日の1時25分に益城町と西原村で「マグニチュード7.3」を観測しました(※1)。同じ地域で震度7の巨大地震が連続で発生したのは、震度7が設定された1949年以降で初めてのことでした。震度7の地震を体験したことのない筆者にとって、震度7の地震が2回も襲ってくるなんてことはなかなか想像しがたい出来事です。

熊本地震の4月14日から7月14日までの3カ月間で、震度7を「2回」、震度6強を「2回」、震度6弱を「3回」、震度5強を「4回」、震度5弱を「8回」観測し、震度1以上を観測した地震は合計で「1,888回」にも及びました(※1)。

また、この地震では、最大で「48万世帯」が停電による被害を受け、電気以外の「道路」、「鉄道」、「ガス」、「水道」、「通信網」などの私たちの生活に必要なライフラインも一時断絶する事態となりました(※1)。このような状況では、地震発生前に比べて自宅での生活が困難を極めることは間違いないと思います。

熊本城や大手キャリアの通信回線に甚大な被害が出ました

震度7の巨大地震が2度に渡って、発生したことによる熊本城や住宅などの被害は甚大なものでした。建築物の倒壊は、全壊が「8,369棟」、半壊が「32,478棟」、一部破損が「146,382棟」といったように、多くの建築物が巨大地震による被害を受けました(※2)。被災した直後の被災者のみなさまの中には、5年前の2011年3月に発生した東日本大震災の出来事が思い起こされ、とてつもない恐怖を感じた方もいらっしゃったことかと思います。

また、この地震で大手キャリアの通信回線については、NTT西日本などの固定系回線が、最大で合計「約2,100回線」、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなどの移動系回線が最大で合計「約400局」が停波し、こちらの被害についても甚大なものでした(※3)。このように住宅の倒壊や通信回線がダウンした状態では、自宅で生活をすることは極めて難しい状況になります。

このような状況下において、被災者の方々にとって、最も頼りになる場所といえば、やはり「避難所」です。翌日の17日には、熊本県内の避難者数が熊本地震発生から最大の「183,882人」に達しました(※4)。このようなことからも巨大地震による被害の大きさが窺えます。

熊本市内の避難所にポジモのFree Wi-Fiを設置しました

熊本地震では、巨大地震の被害で通信環境が困窮する被災者のみなさまに対して、安否確認、情報収集、情報発信を支援する目的で、販売代理店と協力して、熊本市内の避難所にポジモで臨時のFree Wi-Fiを設置しました。

この時のポジモの設置時間は、巨大地震などの大規模な災害時に携帯キャリアから無料で提供される「00000JAPAN」という公衆無線LANサービスが開放されるまでの約30時間でした。通信回線については、当時、避難所には災害用に開放できるインターネット回線が無かった為、LTE回線のインターネットを活用しました。

熊本地震の被災地にポジモのFreeWi-Fiを設置(写真提供:株式会社ミライト・ワン様)

熊本地震の被災地にポジモのFreeWi-Fiを設置
(写真提供:株式会社ミライト・ワン様)

「00000JAPAN」が開放されるまでの約30時間の間に、ポジモのFree Wi-Fiには「のべ約600回」の接続がありました。この時に設置したFree Wi-Fiは主にSNSやニュースサイトによる「安否確認」、「情報収集」、「情報発信」、「避難所の子供たちの娯楽用」に活用されました。

スマートフォンのデータ通信量が上限に達するなどの理由により、避難所の通信環境が困窮していたことから、ポジモのFree Wi-Fiは熊本市内の避難所で生活している被災者のみなさまに大いに歓迎されました。

ポジモのFree Wi-Fiが被災者のみなさまに歓迎されました(写真提供:株式会社ミライト・ワン様)

ポジモのFree Wi-Fiが被災者のみなさまに歓迎されました
(写真提供:株式会社ミライト・ワン様)

巨大地震により通信環境が困窮していた熊本市内の避難所に、ポジモのFree Wi-Fiを提供する形で、微力ながらに被災者のみなさまの支援ができたことを非常に嬉しく感じております。

ポジモの設置時間は約30時間ほどでしたが、避難所の通信環境の困窮の一助になることができて、ポジモ担当者にとっては、大変嬉しい気持ちであるのと同時にやりがいを感じることができる体験だったと思います。ポジモのFree Wi-Fiを避難所のみなさまに利用していただき、歓迎されるというのはポジモ担当者にとってこれ以上の喜びはありません。

それから、時が流れて2018年の9月6日に再び震度7の巨大地震が北海道の胆振地方を襲います。次は「北海道胆振東部地震」の震源地であった厚真町の避難所でポジモを活用した時のお話です。

「胆振東部地震の避難所」でポジモを使う

2018年9月6日に北海道の胆振地方中東部を震源としたマグニチュード6.7を観測する最大震度7の巨大地震が観測されました。また、地震発生直後に北海道全域でブラックアウトが発生し、最大で約295万戸が停電による被害を受けました(※5)。その中で最も被害の大きかった場所が北海道の厚真町でした。

北海道胆振東部地震による厚真町の大規模な崖崩れ

北海道胆振東部地震による厚真町の大規模な崖崩れ

厚真町内には7箇所の避難所が開設され、地震発生翌日の9月7日には最大で1,118人の厚真町の人々が避難所を訪れました(※6)。

厚真町の避難所の電力が思うように使えない!

胆振東部地震発生から5日後の9月11日には厚真町内の停電は既に解消され、電力が使用できる状態になっていました。しかし、電力需給の逼迫は依然として続いており、この時は電力会社から北海道全域で2割ほどの節電要請が発令されていました。このことが原因で、避難所の電力でFree Wi-Fiを利用するのは難しい状況となりました。

避難所にいる町民や教職員のみなさまの為に、どうにかして電力を気にせず安心してインターネットを利用できる状態にしてあげたいところです。

厚真町の避難所にポジモのFree Wi-Fiを設置しました

このような時は「熊本地震」と同じく太陽光発電パネルで電源自給しながら、Free Wi-Fiを提供できるポジモの出番です。再び巨大地震発生時の避難所でポジモを活用できる機会が訪れました。

この時は、ポジモ2台を通信環境が不安定な2つの避難所にそれぞれ設置し、通信環境が整い(復旧)次第、別の避難所に移設させてFree Wi-Fiを提供するという運用でした。電源自給型の可搬無線基地局兼中継器であるポジモだからこそできる運用方法です!

厚真町の避難所にポジモのFree Wi-Fiを設置(小学校の屋内)

厚真町の避難所にポジモのFree Wi-Fiを設置(小学校の屋内)

厚真町の避難所にポジモのFree Wi-Fiを設置(小学校の屋外)

厚真町の避難所にポジモのFree Wi-Fiを設置(小学校の屋外)

この時、避難所に設置したポジモのFree Wi-Fiは主に以下の用途で子供たちや学校職員のみなさまに利用されました。

  • スマートフォンなどによる連絡や情報の取得
  • ゲーム機を利用した子供たちの娯楽
  • メール連絡などの学校職員の校務

この時のポジモの設置期間は、9月11日~22日までの11日間でした。電力需給が逼迫している厚真町の避難所のみなさまにポジモのFree Wi-Fiを提供できて良かったと感じています。熊本地震に続いて地震発生直後の避難所にポジモのFree Wi-Fiを設置し、避難所のみなさまに歓迎され、インターネット利用の一助になれたことはポジモ担当者にとっても貴重な体験だったと思います。

ポジモは移設が容易な電源自給型の可搬無線基地局兼中継器です!

このように刻一刻と状況が変わる被災地の避難所において、「通信環境が困窮」、「電力需給が逼迫」している場所に簡単に持ち運んで移設できるポジモは非常に役立ちます。

また、ポジモの電池残量が無くなりそうな時は屋外に持ち運んで太陽光発電パネルで電源自給をしながらFree Wi-Fiを提供することもできます。

そのようなポジモをこれからも地震発生直後の避難所のみなさまのインターネット利用の一助になれるよう更なる品質の向上と改良に精進していきます!

ポジモのご質問、ご相談についてはお気軽にお問い合わせください

前述したとおり、地震発生直後の「通信環境が困窮」、「電力需給が逼迫」している避難所にFree Wi-Fiを提供する手段としてポジモは非常に役立ちます。

「自然災害時の避難所で臨時のFree Wi-Fiが欲しい」などとお考えの際は、電源自給型の可搬無線基地局兼中継器のポジモを是非、ご検討ください。

ポジモに関するご質問、ご相談ついてはこちらのポジモ公式サイトのお問い合わせページからお気軽にお願いいたします。

次回からは新シリーズのお話を公開していく予定です。どうぞ、お楽しみに!

参考文献

※1 平成28年熊本地震‐内閣府防災情報のページ
https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h28/83/special_01.html”

※2 コメリ災害対策センター-平成28年(2016年)熊本地震
http://www.komeri-npo.org/record/earthquake/kumamoto/h28/02/index.html

※3 総務省-熊本地震におけるICT利活用状況に関する調査結果
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc152130.html

※4 防災システム研究所-熊本地震2周年・被災地は今
https://www.bo-sai.co.jp/kumamotojisin2syunen.html

※5 インプレス-日本初の“ブラックアウト”、その時一体何が起きたのか
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/blackout.html

※6 令和元年度東日本大震災アーカイブ国際シンポジウム-北海道胆振東部地震から厚真町が伝えたいこと
https://www.shinrokuden.irides.tohoku.ac.jp/msrdnwp/wp-content/uploads/2020/01/20200111atsuma.pdf

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