衛星インターネットをポジモで活用してみた(前編)

みなさま、ご無沙汰しております。

外部電源不要の無線LAN「ポジモ」の広報担当をしている橋です。

毎日のように暑い日が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

今回は、「ポジモ」と「Starlink」を組み合わせた検証を行った時のお話をさせていただきます。

ポジモとは

「ポジモ」は外部電源を使わずに電力を自給して動作する「Wi-Fiアクセスポイント兼中継局」です。この特徴を活かして現在も「災害時の避難所」、「イベント会場」などの通信インフラとしてご活用いただいています。

地震発生直後の避難所のFree Wi-Fiをポジモで
https://www.poggimo.info/blog/2022/11/474/

「Japan Cup 2023 第38回 全国犬ぞり稚内大会」でのFree Wi-Fi
https://www.poggimo.info/info/20230310/

これらの事例で共通しているのは「電源が無い、または用意しにくい、安定しない環境」ということです。そのような場所にインターネット環境を用意するのがポジモの役割となっています。一方で、インターネットとの接続には「固定回線」や「LTE回線」が必要なので、山奥の土木工事現場などではこの部分(回線が無いこと)が課題となっていました。

そこで、日本でも利用可能な衛星インターネットサービス「Starlink」に注目しました。

検証結果の結論を先に申し上げますと「非常に簡単にポジモとStarlinkを接続し、屋外でWi-Fi通信を利用すること」ができました。

Starlinkとは

「Starlink」はスペースX社が運営する衛星インターネットサービスを目的とした「衛星コンステレーション」です。

Starlink.com
https://www.starlink.com/

KDDIとスペースXの契約により、2022年10月から日本でも衛星インターネットサービスを利用できるようになりました。また、2023年9月からはソフトバンクもサービスを開始するようです。

KDDI:STARLINK
https://www.starlink-au.jp/

ソフトバンク:国内の企業や自治体向けの衛星ブロードバンドインターネットサービス「Starlink Business」を9月下旬に提供開始
https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2023/20230713_03/

ポジモが接続するインターネット回線のオプションを増やすことができれば、より多くの場所で、より多くの人に通信環境を提供することができます。しかも、それを世界中に提供できる可能性があると考えると少し興奮してしまいます。

一方で、「どのくらい簡単なのか」、「ポジモでの接続手順はどうなのか」など、何点か不明なことがありましたので、今回、Starlinkをレンタルで調達し、検証することにしました。

「ポジモ」と「Starlink」を活用して検証する目的は以下のようになります。今回はこれらの目的に従って、検証を行っていきます。

  • Starlinkをポジモと組み合わせて使用することの実現性を確認する。
  • 組み合わせたソリューションが何に役に立つかを考える。

Starlinkの電源はどうする?

さて、ポジモと組み合わせて屋外でStarlinkの検証をするとして、Starlinkにはどうやって電源供給をするかが最初の課題でした。Starlinkのサイトによると、平均消費電力はスタンダードモデルで「50W~75W」となっています。

Starlink:SPECIFICATIONS
https://www.starlink.com/specifications

念のため、他にもネットの情報を収集してみましたが、概ねこの範囲と思われるので消費電力を「約60W」と仮定してポータブル電源を用意することにしました。

今回は「動作確認」と「接続手順確認」が目的なので、3時間程度使用できれば良いと考えて、最大出力240W・容量320Whのポータブル電源(キャンプなどでお使いの方も多いと思います)を用意しました。

Starlinkとポータブル電源

Starlinkとポータブル電源

ちなみに、災害時などを想定してStarlinkの稼働時間をより長くするとしたら、どのような電源が用意できるでしょうか。入手しやすいものを中心に調べてみたら次のようなものの組合せがありました(机上検討のみです)。

※消費電力を60Wと概算した場合、満充電から連続稼働時間約68時間。
※太陽光のみによる満充電に約5時間の日照が必要。

災害時の「72時間」の壁に迫る「68時間」のStarlinkの連続稼働を期待することができます。ポジモは無日照で「120時間」の連続稼働なので、組み合わせて使用することで、発災直後の「生存確認」や「救助要請」などに役立つことができると思います。

Starlinkの電源の目途が立ちましたので、いよいよレンタルを申込み検証を行おうと思います。

具体的な機器構成、検証結果、「ポジモ」と「Starlink」を組み合わせたユースケースなどについては、次回のブログでお話させていただきます(近日公開予定です)。どうぞ、お楽しみに!

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