インターネット回線のない公民館でZoom講義!屋外用無線LAN中継機&AP「ポジモ」活用の舞台裏
株式会社ネクステックの広報担当です。過去ブログ記事を再構築し、ご案内しております。
「回線工事が間に合わない」、「電源が確保できない」などといった理由で、屋外や公共施設でのネットワーク利用を諦めていませんか?今回は、通信インフラ未整備の公民館において、電源不要の無線LAN「ポジモ」を活用し、Web講義を成功させた事例を詳しく解説します。
この記事で分かること
- 通信インフラのない場所でも、電源自給型Wi-Fi「ポジモ」で通信が行える
- ひかり回線から直線距離180mの場所へ、複数台のメッシュWi-Fiで通信を中継
- 事前のサイトサーベイ(現場下見)で遮蔽物を回避し、安定した通信環境を構築
1. 現場の課題:通信環境のない場所でのWeb講義
はじまりは、あるお客様からの「インターネット環境のない公民館で、PCやタブレットを使ったWeb講義を開催したい」というご相談でした。 通常、ネット環境のない場所で映像コンテンツを視聴するには、大規模な回線工事や電源の確保が大きな壁となります。
そこで導入されたのが、「ポジモ」です。
「ポジモ」とは?
ポジモは、ソーラーパネルと蓄電池を搭載した、「持ち運び可能な電源自給型 無線LAN親機・中継機」です。2025年に、新型ポジモとしてバージョンアップを行いました。

新型ポジモは以前よりもコンパクトになりました。
ポジモには、以下のような特長があります。
- 防水・防塵対応:
「ポジモ」はIP66相当に対応しており、防水・防塵に強い構造になっています。IP66は屋外の過酷な環境下でも安定して稼働しますので、Web講義が開催される天候が想定されていれば問題なく動作します。
- 電源の自給自足:
ソーラー発電により、無日照でも最大120時間の連続稼働(※)が可能です。 たとえ当日の天候が不良でも、事前にソーラー発電で蓄電をしておくことで、Web講義の準備から撤収までであれば電源に関する不安はありません。
- 簡単設置:
本体重量は約15kg(※)。コンセント不要で、使いたい場所に置くだけで見通し最大100メートルのエリアまでWi-Fiエリアを構築できます。
(※旧モデルの仕様です。現行モデルの仕様はこちらを参照してください。)
2. 準備編:成功を左右する「サイトサーベイ(現場下見)」
安定した通信環境を構築するためには、事前の現場確認が重要です。今回のお客様からの依頼と課題を振り返ります。
ネット未整備の公民館でWeb講義を開催するにあたり、近隣の協力者のひかり回線を利用して、直線距離で180m離れた公民館に一時利用のインターネット環境を作ることができないか?
それを踏まえて、今回の事例では、以下のポイントを確認しました。
- ひかり回線を引き込むポジモの設置場所:
公民館近くのご協力者様の施設から、ひかり回線と電源をお借りして、ピュアポジモを設置しました。ピュアポジモは、従来のポジモからソーラーパネル・蓄電池を取り除いたコンパクトサイズのアクセスポイントです。
- メッシュ機能の活用:
ポジモは1台で見通し最大約100mをWi-Fiエリアにできますが、今回は直線距離で180mということで、メッシュ機能を活用します。遮蔽物を考慮し、会場際にポジモを1台、そしてピュアポジモから公民館までの間に2台のポジモを置いて、合計4台での運用としました。
- 課題の発見と解決:
このような設計で、講義で視聴することを想定したタブレット接続して検証してみました。しかし、タブレットが想定していたところとは違うポジモに接続されるようになっていたことがわかりました。このような情報も管理コンソールから簡単に見ることができるのもポジモの魅力の一つです。
結果として途中のポジモを使わず、ピュアポジモと公民館を直接メッシュで繋げる設計に変更し、再度確認をしてみます。現場に行かなくても電界強度や接続状況が分かるのがこのコンソールの強みです。
- 一難去ってまた一難:
改めてタブレットに接続すると、今度は想定通りのポジモに繋がっている事がわかりました。映像確認をしてみると、会場の中と外で映像のカクつきの有無が発生しました。会場内に入るとカクつきがでてきてしまい、このままでは上手く視聴ができなくなってしまいます。原因は公民館の壁。電波の遮蔽物となってしまっていました。電波は壁や水などの遮蔽物を通すと弱くなる性質があります。
結局、会場近くのポジモはLANケーブルを敷設し、Zoom講義を行うことにしました。
3. 本番編:置いたら始まるポジモのネットワーク
Web講義当日までの設営は、ポジモを運び込み、設置し、スイッチを入れるだけという極めてシンプルなものでした。 Web講義開催中には、ポジモの管理コンソールにアクセスし、無線中継の電界強度やデータ量をチェックしながら、接続の安定性を確認していました。結果として問題となるような通信状態にはならず、無事に講義は終了しました。
講義終了後、Zoomによる講義に問題が無かったこと、ポジモの可能性を感じたことについてお客様からお褒めの言葉をいただきました。しかしながら、ネクステックの社員として一部LANケーブルに頼ったことは課題として、次に活かせるように準備すべきと考えました。
今回のポジモの配置は最終的に以下の形となりました。

想定していたよりも1台、ポジモが減りました。
最初は、グレーの経路(中継用ポジモが2台)の構成でした。しかし、実際に接続テストをしてみると電波が弱い=遠いポジモを中継しているデータが多いことに気が付きました。そこで急遽、ポジモを1台撤去して、残りの1台のポジモの位置を調整しました。その結果、ブルーの経路でZoomによるWeb講義を実現することができました。
しかし、2台目のポジモから公民館のホールまではLANケーブルに頼らざるを得ない状況でした。
4. リベンジ編:さらなる工夫でより安定した通信を目指す
最初の講義から1ヶ月後、同じ場所で再び講義が開催されることになりました。今度は前回よりも公民館に近い施設からインターネット回線をお借りすることになりました。
一方で、次の設備は道路を挟みます。自動車などの障害物がランダムにやってくることになります。
再び事前に現地で設置環境を確認します。施設は2階の高い位置からピュアポジモの電波を発すること、そして公民館側のポジモも場所を移動させ、撤去時の手間を省く構造にしました。

引き続きLANは使いましたが、使うLANケーブルの長さは短くなり巻いた。
通信状態は前回よりもより良くなりました。公民館へは引き続きLANケーブルを引っ張る必要がありましたが、前回よりも短いLANケーブルの引き込みとなりました。
その結果、ポジモの通信を使ったオンライン講義を行うことに成功しました。以下はその時の様子の写真です。この建物の中にインターネット環境がないにもかかわらず、こうしてオンライン講義を行えたことは大変、意義のあることでした。
時間は経過していますが、ときのご相談をくださったご担当者様、ありがとうございました。

講義中のワンシーン、皆さん真剣に聞き入っています。
5. まとめ:あらゆる現場の「通信の壁」を突破する
今回の公民館での事例は、ポジモが持つ「可搬性」と「電源自給」の強みが、インフラ未整備の現場でいかに有効であるかを示すものでした。
このような課題をお持ちの方は、ぜひポジモをご検討ください。
- 農業・林業: 広いフィールドでのセンサー活用や映像監視に。
- 工事現場: 事務所から離れた場所での図面確認や遠隔臨場に。
- イベント・調査: 期間限定のインターネット環境構築や省力化に。
6. ポジモに関するQ&A
Q. インターネット回線が近くにない場合、Zoom配信は難しいですか?
A. ポジモには「SIMモデル」があり、LTE回線を使ったモデルをお使いいただくことで、解消できることがあります。まずはご相談ください。
Q. 悪天候でもポジモは動きますか?
A. ポジモはIP66相当の防水・防塵対応です。IP66は防水・防塵の観点から日常的な使い方で故障することは起こりづらいと考えていただければと思いますが、定期的なメンテナンスは必要になります。
「ちょっとでも思い当たることがあれば、ぜひ一度ご相談ください。新しい気づきと解決策が、ここにはあります。」

